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月夜の歌姫

第78章 鉄鬼軍王キラゴルドの正体


カミュは触手の攻撃を避けてマヤの元へと手を伸ばす。
金色のバリヤがカミュを拒む。
何とかして手を入れるとマヤの伸ばす手を掴んだ。

マヤを引き寄せ抱きしめた。
その瞬間からカミュの体は黄金になっていく。
その様子をみんなは黙って見守る。

「ごめんな、マヤ…」

カミュはそう言うと完全な黄金になってしまった。

「カミュ!」

「カミュさん!」

マルティナとサランは堪らず声を上げた。

「…兄貴と一緒にいたい。
ケンカして、笑ってまたケンカして
そんなろくでもない毎日に比べたら…
貧しいのもひもじいのもなんてことない!
寒いのも我慢できる
だから…黄金なんてもういらない!」

マヤが涙を流した。
それは首飾りに落ちる。
首飾りに涙が落ちた瞬間、首飾りが音を立てて壊れた。

首飾りが壊れ、光が眩しく輝く。
先程まで脅威だった触手も塵のように粉々になり、辺り一面に降り注いだ。

「なにこれ…すごく綺麗…」

その光景は幻想的とも言え、それを見た一同はその美しさに息を飲んだ。

カミュの黄金化も解けて力を使いすぎたマヤはカミュに支えられる。

「いしし、また貧乏に逆戻りだな。」

マヤの表情はどこか満足気で嬉しそうだった。
マヤはこてんと気を失った。
眠りについた妹を見てカミュは安堵する。
傍にはイエローオーブが転がっていた。
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