第77章 黄金城
奥にはまた扉がある。
「まるで黄金迷路みたいね…自分の居場所が分からなくなりそうだわ。」
マルティナがフゥっとため息を漏らした。
あちこちが金で出来ているため、確かに自分がどこにいるか分からなくなりそうになる。
ブレインが扉を開けるとまた新しい部屋に出てきた。
「あ!あれって!」
サランが指さした方向を一同が見る。
「あれは、ワシらがクレイモランに来た時に黄金病にかかったご婦人ではないか?」
ロウがその像を見つめた。
「こんなことに人の命を…許せぬわい!」
ロウの言葉に怒りが込められる。
「一刻も早く、キラゴルドを倒しに行きましょう?」
マルティナに言われロウがうむとうなづいた。
階段を上り降りして進んでいくとだんだん動物の黄金像より人の黄金像が目につくようになった。
「まるで…前に来た時みたいにその場で凍りついたみたいにすぐ黄金になってしまった…。みたいな像が多いですね…?」
サランの言う通り黄金像はあのおばあさんみたいに苦しんでるというよりいつもと変わらない日々を過ごしていたらいつの間にか像になっていた。
と言うような像が多くなっている。
走っている途中の女性、会話中だったであろう男女。
まるで時が止まったかのように思わせられた。