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月夜の歌姫

第77章 黄金城


過去を見終わった一同は唖然としていた。

「妹を…マヤを失って、オレは逃げるように旅に出たんだ。
……全部オレのせいだったんだ。
旅の途中、調べてわかったことがあるんだ。
オレがあいつに送ったのは誕生日祝いどころか、呪われたアイテムだったんだ。
自分の犯した過ちから逃げたくて、忘れたくてアチコチでヤケになって…。
気がついたら一端の盗賊さ。
そんな時だった。預言者と名乗るやつに言われたのは。
伝説の宝珠を集め、地の底で出会う勇者にチカラを貸せ。さすれば、お前の贖罪も果たされよう。ってな。
最初は信じちゃいなかった。うさんくせぇのはもうコリゴリだったしな」

カミュは一通り過去のことを話終わると振り返った。
顔つきが変わり、弱々しいカミュはどこにもいなかった。

「けれど予言通り、オレはお前と…ブレインと出会った。」

カミュが唐突に記憶を取り戻し、全員がポカーンとなる。

「カミュさん…?記憶が?」

サランに対してバツの悪そうな困ったような笑顔を向けた。

「サラン…すまねぇ。オレがあの時、逃げなくて。
そのせいでお前も一緒に捕まっちまって。
それにみんなも、随分迷惑かけちまったな。」

サランは首を横に振った。

「気にしないで。」

全員がホッと安堵の表情を浮かべる。
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