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月夜の歌姫

第75章 カミュの秘密


2人を閉じ込めていた檻をロウが開ける。
カミュがゆっくりと立ち上がってから檻の外へ出ていく。それに続いてサランも解放された。

「2人とも、待たせてすまんのぉ。
怪我がなさそうでよかったわい。」

「魔物達は倒したから安心して?
さ、一緒に帰りましょう?」

マルティナが優しく笑ったがカミュの表情は浮かばれなかった。

「様子が変だな…まさか魔物共に何かされたか?」

「いえ、抵抗しなければ魔物は特に何かをしてきた訳では無いです。
でも…それより前からずっとこんな感じなんです。
でも六軍王の1人、キラゴルドが彼を連れて来いって言ってたらしく。」

「…そういえば。サラン?あなたは大丈夫なの?
魔物に連れ去られた時に気を失っていたけど。」

シルビアの言葉にサランは困って笑った。
カミュの1人も守りきれず挙句に仲良く掴まっていた。
その間カミュはずっと独り言のように呟いている。

「そうだ…オレはここで…あぁ、そうだ。
あいつをあそこに…」

何かを思い出したのかカミュはフラフラと歩き出して行った。
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