第74章 奇病黄金病
シルビアが唸るカミュに駆け寄った。
「ちょっとカミュちゃん!?どうしちゃったの?」
何かに怯えるように唸るカミュにシルビアが寄り添った。
「カミュ?」
誰かがカミュと復唱する声にカミュ以外の全員が声の主を探した。
慌てた様子でやって来たのはメガネをかけた優しそうな神父らしき男だった。
「声を聞いて駆けつけたらまさか君だったとは。」
ロウはゆっくりと神父に近づいていった。
「おぬし、カミュのことを知っておるのか?
わしらはこやつと旅をしていたんだが、今は記憶を失っておってな。」
神父はロウの話を聞くと憐れんだ表情を浮かべた。
「なんと…そのようなことが…
分かりました。カミュのことをお話しましょう。
後ほど、教会にいらしてください」
神父は一礼をすると先に教会へと向かって歩き出した。
「カミュさん大丈夫ですか?」
カミュは未だに頭を抱え怯えている。
シルビアが支えているおかげで倒れないのがやっとだった。
「とにかく、今はカミュについて話を聞くのが先じゃな。シルビアとサラン、カミュを任せてもいいか?」
2人は「はい」と応えた。