第74章 奇病黄金病
おばあさんの息が荒くなる。
彼女は何か諦めたような悲しいような声を上げた。
「ついに、あたしまで感染しちまったって言うのかい!?」
おばあさんは苦しみ体を歪めた。
「おばあさん!おばあさん!
いけません!」
「サラン危ない!」
何かを感じたのかおばあさんに寄り添っていたサランの腕を掴み引っ張った。
サランの体はふわりとシルビアの腕の中に収まる。
その間におばあさんから、眩いくらいに光が溢れる。
その眩しさに目を瞑り、再び目を開けた。
「……!」
全員がおばあさんの変わり果てた姿に驚いた。
おばあさんの体が全身、金(きん)に変わっていた。
それはまるで金で出来た像のように服までもが金になり輝いていた。
「…なんてこと。これが黄金病だと言うの?」
マルティナが呆気に取られる。
「サラン、大丈夫?どこも変なところはない?」
シルビアはサランの体に触れ異常がないか確認した。
幸いにもサランに異常は見られなかった。
「はい、特には…でも…さっきの感じ…」
サランはおばあさんに触れた時、微かに感じた魔物の気配に手を見つめた。
「う…ぐぐ、うぅ。」
カミュが突然、頭を抱えだし膝をついた。