第67章 優しい眼差し
サランは眠いのは多かれ少なかれみんなも同じだと思った。それなのに自分だけ休むのはどうかと…。
戸惑うサランにロウ達はにこやかに休みなさいと言う。
「わしらも少ししたら休むから。
それにサラン、お主はエレノアに会わせてくれた。
魂が体に宿るというのは知らずに体力を使うこともある。だからお主はゆっくり体を休めるのじゃ。」
「何かあったらすぐに起こすから安心してくれ。」
グレイグに言われ困ったように笑った。
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます。」
サランはぺこりとお辞儀をしてテントに入っていった。
それを見送ったシルビアがホッとしたように胸を撫で下ろす。
サランはテントの中に入ると体が限界だったのか横になるとパタリと倒れ込むように眠りについた。
「グロッタの町ね…あの子達も無事なのかしら?」
シルビアはサランが出会った子どものことを思い出していた。
もしも、崩壊して彼らに何かあったらサランの心は荒む。そんな気がした。