第67章 優しい眼差し
5人はユグノア城の地下から出ると1日近く居たのか朝日が上り始めているのを確認した。
「素敵な朝ね…」
シルビアがどこか儚い面持ちで朝日を見つめる。
サランは彼の横顔を見つめていた。
「うむ…これで良かったんじゃ。」
ロウがまるで自分に言い聞かせるように呟いた。
グレイグは朝日を真剣な眼差しで見つめる。
「真の勇者よ。今度こそ勝利をその手に!」
グレイグがブレインの肩をポンと掴んだ。
ブレインも真剣な顔で頷く。
「ところで次に向かうのはここから近いグロッタの町でしたっけ?」
サランがキョトンとした声を上げる。
「そうじゃな。その前に1日キャンプ地にて休もう。
ワシは少し…疲れたわい。」
はぁっとロウがため息をつく。
ブレインの勇者のチカラが戻ったこと、アーウィンとエレノアとの本当の別れ。魔物退治。
そして、いつの間にか夜が明けていた。
それらの情報量は老体には少し厳しいものだった。
「そうね…グロッタの町でも何がいるかは分からないわ。休める時に休むのは大事よ。」
シルビアもロウの様子を気にかける。
グロッタの町に向かう途中にある、キャンプ地にて休むことにした。