第66章 悪夢を絶つ
ロウが寂しそうに呟いた。
「これで……本当にお別れじゃな…
アーウィン、エレノア…」
それを聞いたサランの目から一筋の優しい雫が頬へと滑り落ちた。
シルビアはブレインの何かに気がついたのか指をさす。
「ブレインちゃん!?それ!」
ブレインの左手の甲に勇者の成り上がり紋章が光り輝いていた。
「勇者の紋章が光り輝いておる。2人が勇者のチカラを蘇らせてくれたんじゃな!」
サランは4人の方へ歩いてくる。
「サラン、ありがとう。
母さんと父さんに会わせてくれて。」
ブレインの言葉にサランは首を振った。
「お礼を言われることはしてません。
私はエレノアさんの声が聞こえただけなので…
さっ!次に行きましょう?まだ見つかってないマルティナさんやカミュさん、ベロニカさんとセーニャさんも探さなきゃ!」
サランはパンと手を鳴らした。
その様子にシルビアはどこか空元気に見えた。