第65章 魂に呼ばれて
サランは1番最後に起きたらしく全員が既に何をみたか確認していた。
「…ふむ。それでは噂通り、全員が同じ夢を見たわけじゃな?
くちおしいと嘆く戦士の夢を…」
ロウがうぅむと唸った。
「なんだか必死に助けを求めていたわね
できれば手を貸してあげたいけど…
手がかりナシじゃお手上げだわ」
やれやれとシルビアが首を振った。
「あら?サラン、おはよう?
あなたも見たの?くちおしいと嘆く戦士の」
「おはようございます…はい。私も見ました。
あと、女の方の声も。」
「女の人?アタシは見てないわ。」
シルビアが首を横に振る。
みんなも女の人の声は知らないとうなづいた。
「え…でも、あの人を解放して?」
サランが戸惑っているとブレインが首を傾げた。
「それってその戦士と関係があるんじゃないかな?」
「きっとそうかもしれないわね!」
2人の反応にサランはポカンとした。
「信じてくれるの?」
「えぇ、アタシと出会ってからサランが嘘をついたことは無いでしょ?それに、大樹のことも危惧してくれてたのはあなたじゃない。
まぁ、でもほんとにその通りになってしまったけど…
とりあえず今はこの夢の戦士が一体誰なのか突き止めるしかないわね。」
ロウが静かに話始めた。
「……あの戦士の甲冑に描かれた紋章は紛れもなく我が国ユグノアのものじゃった。
そういえば世界が闇におおわれてからユグノアがどうなったのかも気になる。
少し様子を見に行ってみようかの?」
みんなは荷物を整え宿屋を後にした。