第60章 運命とは時に残酷である
2人きりになったシルビアは静かに眠るサランの手を握る。
「サラン…ありがとう生きててくれて。
パパやみんなを助けてくれてありがとう。
ブレインちゃんやロウちゃんも生きていたわ。
それとねグレイグが一緒に戦ってくれるって。
だから早く起きてカミュちゃんやセーニャちゃん、マルティナちゃんとベロニカちゃんと合流して魔王ちゃんを倒しにいきましょ?サラン…?」
シルビアが笑って見せようとするが上手く顔が動いてくれない。
このまま目が覚めなかったら?
もう、二度と自分に笑いかけてくれなくなったら。
そう思うだけで胸が苦しくなりまた涙に変わる。