第59章 闇を愛するものと光を願うもの
しかし倒れそうになっても立ち上がろうとする。それを見ていた騎士が使ってと特別な薬草をサランに渡した。サランの体の傷がたちまち消えていく。サランは両足に力を入れ立ち上がりまたゾルデに走りかかった。
(使いたくなかったけど…シルビアさん。ごめんなさい…!)
サランは胸元からあの真珠の付いたシルビアが作った短剣を取り出した。走りゾルデとの間合いを詰めると1度しゃがみゾルデの死角に入る。勢いに任せて下から上へ短剣を振るとゾルデの体に深い傷を付けた。
ジエーゴが剣を構え飛び出そうとした時。ジエーゴが突然、頭をおさえ苦しそうに悶え始めた。
よろよろと片膝をついて剣を地面に刺し倒れないのがやっとだ。
「ジエーゴ様!?まだお体が!」
その声にサランは振り返る。油断が出来てしまったサランにゾルデの剣がサランを切りつける。
「…きゃあ!」
サランはそれでも1度ゾルデから離れジエーゴに駆け寄った。