第6章 食後の運動は怪物退治?
シルビアは朝早く目が覚めるといつものように身支度をしてから愛馬とレース会場へ向かう。
サランとニコスは観客席に2人で並び座る。
「シルビアさんてほんとにあのマーガレットちゃんで行ったのかな?
見たんだけどすごい羽根つけててレースに出る馬って思えなかったけど…」
「え!?あの装飾つけて行ったの!?
ネエさんほんとによくやるねぇ…」
ハァっとため息をニコスが吐いた。
「えー本日はお日柄もよく…」
国王が挨拶しているにもかかわらず他の客がファーリスの登場にキャーキャー騒ぎ出した。
「ファーリス様!」
「王子ー!!」
国民の声援を受けスタート位置に着く。
後からシルビアが馬に乗って現れた。
「ほら!シルビアねえさんが来たよ!!
えー!?ほんとに装飾つけてってるし…」
ニコスの言葉にパッと前を向く。
「ほんとだ…フフ、シルビアさんらしいね」
嬉しそうな面白そうな風にサランはクスクス笑った。
「あたし、シルビアって言うの
騎士の1人が怪我しちゃって代わりに出ることになったの。
王子様だからって手加減しないわ。」
サラン達にはシルビアが何かを話してるのが見えたが何を話しているかまでは分からなかった。
全員がスタート位置に着くと合図が鳴る。
パァンと乾いた音が鳴った瞬間、王子や他の騎士が一斉に走り出した。