第57章 歌姫とホワイトパンサー
サランとユキはソルティコで1番大きなお屋敷に案内される。そこには執事とメイドが心配そうにジエーゴを出迎える。サランはその執事の顔を覚えていた。外海に行くために水門を開けてくれた人だった。執事もサランのことをチラリと知っているようだった。
「お帰りなさいませご主人様。お体の調子は…?おや?そちらのお方は?」
「町の連中が襲われていたところを助けてくれたやつだ。」
「そうでしたか、それは感謝致します。」
執事はぺこりとお辞儀をした。サランもいえ…とお辞儀をする。ユキはサランの足元で大人しくおすわりをしていた。
「ここで立ち話もなんですから、どうぞお部屋にて体をお休めください。今、お茶もお持ちしますね。」
セザールがちらりとメイドを見るとメイドはうなづいてキッチンの方へ向かった。