第56章 崩壊
朝になるとみんなは早急に出発の準備をする。
「いよいよ、今日行くんですね」
テントを片付けながらサランは緊張している。
自分が見たものが嘘であって、過去の歴史を見ていただけだと信じたかった。
「あぁ、いよいよだな。」
カミュもどこか緊張している。
みんなこの旅にていろいろな思いを秘めていた。
使命、運命、必然、目的
きっとそれだけでは表せないモノを抱えている。それほどこの旅はみんなにとって重要なものであった。
テントを片付け出発の準備を整えると目の前にある祭壇へと歩みを進めた。
祭壇に着くとみんなは見たことある光景だとザワつく。
「なぁここってあの虹色の枝が見せてくれた祭壇だよな?」
カミュが確認をするとロウはうなづいた。
「間違いあるまい、さぁ6つのオーブを祭壇に捧げるのじゃ。」
ロウに言われた通りブレインはカバンから6つのオーブを取り出した。オーブは天高く浮かび上がるとそれぞれあるべき場所にゆっくりと降りていく。
祭壇が虹色に輝くと光の道が大樹へと紡がれていく。
「これは、虹の橋?なんて眩いのでしょうか?」
セーニャが感嘆の声を上げた。
「いよいよ命の大樹のお目通りが叶う時なのね。
さぁ、みんな行きましょう。」
スタスタとベロニカが歩き出しみんなはついて行く。