第50章 さらなる先へ
それをサランが拾い上げた。
「ロウさん、なにか落としまし…」
それを見た瞬間シルビアが慌ててサランからそれを取り上げた。
ロウが落としたのはいわゆるムフフな本だった。
「ルナ…!そんなもの拾わなくていいわ!?
まだあなたには早いわよ!」
ロウは拾われたことやそういう趣味があるということがバレたことに絶望する。
「あ、いや!ダメじゃ!見てはいかん…!」
セーニャがそう言えばと口を開く。
「熱心に何かを読んでいたので命の大樹や勇者の手がかりかと思ってました。」
そしてそれを見たマルティナが呆れた顔をする。
「ロウ様…そういうものを集める癖、まだ治ってなかったのですね…。」
なんのことか分かったような分からないようなサランはキョトンとしている。
その隣でシルビアが力強く冊子をロウに返す。
「フケツよ!ロウちゃん!」
みんなにタジタジに言われるロウにベロニカが呆れた。
「せっかくかっこよく決めたのに、これじゃあ台無しじゃない。」
あうあうとロウはうなだれた。
「そういえばこれからどこへ向かうのですか?」
「あぁ、これからクレイモラン地方からシケスビア草原の先にある始祖の森に向かいたいと思ってます。」
セーニャの説明にサランはそう…と素っ気なく返した。