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月夜の歌姫

第49章 氷の魔女リーズレット


その瞳が一瞬キラリと銀色に光った。

「何を言ってるのですか?魔女は森に…」

つかつかとサランは歩き出した。

「サラン…?」

シルビアが声をかけるがサラン振り向きもせずシャールのマフラーを剥いだ。その首には包帯が巻かれている。

「やっぱり…」

「ちっ…バレちゃった。やっぱりあなたは先に消しとけば良かったわね。」

メガネを投げ捨てた瞬間、シャールの姿から魔女リーズレットとなった。

「ずっと、あなたは気になっていたの。あなたからは暗い気配がしたから…」

「へぇ…最初から気づいていたのね。」

妖艶に微笑むリーズレットに対してサランは険しい表情を浮かべる。

「まさか、魔女が女王に化けておったとは!」

ふわりと浮かび満足気に笑う。

「フフ、あんた達が聖獣を倒してくれたおかげで昔の力がよみがえったわ。英雄グレイグを捕え損ねたあの時の借りを返してあげる。
さぁ、凍えるがいい!」

エッケハルトが慌ててブレインに向き直った。

「リーズレットを倒し、禁書を奪い返すのじゃ!
今一度、魔女を封印してみよう。」

エッケハルトが本を開き呪文を探した。
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