第48章 小さな心強い新しい仲間
マルティナに切られたトロルは黒い霧となってゆっくり消えた。
「サラン、大丈夫?」
シルビアがサランに駆け寄り手を差し伸べた。
「はい、なんとか…それより…」
トロルがいた場所からとことことやってくるスノーベビーに目がいく。
サランの側まで来るとその子はうみゃんと可愛らしい声を上げゴロンと寝転がった。
「この子、さっきの?」
後ろ足には見覚えのある傷跡が残っていた。
「助けてくれたの?」
「みゃうん」
サランの足をスノーベビーがぺろぺろと舐める。サランがスノーベビーを抱き上げるとまるで猫みたいにゴロゴロと喉を鳴らした。
「随分懐かれたのね。」
マルティナがクスクスと笑った。
「でも、この子はここの土地の子でしょ?
他のところに連れていくのは良くないはず…」
サランはスノーベビーを下ろすと歩き出した。
他のメンバーもそれに習い歩き出す。