第45章 英雄と魔女と勇者と
ミルレアンの森に向かうと、デルカダール兵があちこちにいた。話を聞くとみんなは魔女退治に派遣された兵士のようだった。
「ブレイン…さん…」
サランに裾を摘まれブレインは振り返る。
しかし、振り返ったところで伝えた方がいいのか迷った。変に疑っても違ったら?
それでもひとつの可能性として伝えることにした。
「女王…魔物……取り憑かれてる…かも…
私の…勘違い…だと思いたい…けど…」
「どういうこと?」
「不思議…なモヤが…見えた…紫の…何かは…分からない。でも…イヤな感じ…した。」
ブレインはふむと考えるように前を向く。
シャールに確認するにも難しいのは確かだ。
しかし、サランが嘘をつくような人では無いのもブレインも知っている。幾度みた、不思議な力とやらで見えたのかもしれない。