第43章 休息を取りに
マルティナ、ベロニカ、セーニャと並びサランはすやすやと眠っていた。
『今夜は満月だな。
そうだ!満月に生まれたから月の女神様の御加護を受けられるような名前にしよう!』
聞いたことの無い男の声がサランの頭に響いてくる。
『月はルナ…いや他にもっと綺麗な名前が…
セレーン?そうだ!セレーネだ!美しい月の女神!
そうか、この子の名前に月というルナも合わせてはセレーナにしよう!』
(誰だろ?セレーナ?)
『そしたら、幼少名はサランなんてどうかしら…月の音……あら?
あなた見て?窓に青いカナリアが…!』
(その声はお母さん?)
『本当だ。いい声で歌っているなぁ。』
(もしかして男の人の声は…?)
『月の女神の加護がありますように』
声はそこでぼんやりと消えていく。
ハッと気がつくと、サランは命の大樹の近くにいた。