第43章 休息を取りに
作務衣の上からでも分かる、逞しい体つきにドキッとする。
「あら?どうしたのかしら?」
「……いえ。」
見とれてたなんて言えない。
それに、作務衣が似合うなんて思ったとは気恥ずかしくてもっと言えない。
「ふふ、こうやって休息を取るのも悪くは無いわね。」
シルビアの言葉にコクコクとサランがうなづいた。
休息を取ろうとならなかったらシルビアの作務衣姿もみられなかった。
いつもカッチリ固めている髪の毛も湯気で程よく取れるのか前髪が垂れている。
それもまたサランにとってはセクシーに見えていた。
町を見下ろすシルビアの手をサランの手が触れる。
それを合図にどちらからともなく2人はそっと手を繋いだ。
幼いあの日みたいにシルビアの手は変わらず大きくて温かい。
サランはその温もりが大好きだった。
「サラン~そろそろ出るわよ。」
マルティナが風呂部屋から顔を出す。
「あら?もうそんな時間?それじゃあ、サランまた後でね。」
シルビアは男湯へと戻っていった。