第4章 噂の王子様
数年後
歌姫としてサランにも人気が出てきた。
サランもあどけなさが抜け素敵な1人の女性に成長していた。
そんなある日
王子の16回目の誕生日としてファーリス杯が行われると話題に上がった。
「ファーリス…杯?」
洗濯物を干しながらニコスとサランがその話で持ち切りだった。
「知らないの?この国の王子様よ!
もしかして何年もの間このサマディー王国の王子を知らなかったとか!?」
ニコスが叫び驚くがサランはキョトンとしている。
名前くらいは聞いたことあったが
大して興味もなかったためあまりよく分かっていなかった。
歌の練習に家事にサーカスの手入れを行っているとあっという間に一日が過ぎる。
それにあまり見かけない王子様よりも視線の先に見えてる旅芸人の方が気になって仕方なかった。