第40章 喉を枯らしても
その間ロウとマルティナたちは難しい顔をしている。
「まさかここでウルノーガの名前を聞くとは…
そうか、やつの被害ある国というのはプワチャット王国のことであったか…」
「永遠なる命の力と言ってましたね。
ウルノーガの狙い…何を企んでるのかしら…」
セーニャがシルビアとサランの方へ近づいてきた。
「シルビア様、サラン様は…」
セーニャが軽くサランの様子を診る。
「かなり衰弱しております。急いで手当をした方が。」
「えぇ、早く行きましょう。」
ブレインは魔法の鍵を握りシルビアはサランを落とさまいと抱きかかえ外に出る。
壁画の外に出ると捕らわれていた人々が慌てて外へと逃げ出していた。
どうやら、無事に解放することが出来たらしい。
「アタシたち、先に宿に戻っているわ。」
「私もついて行きます。」
シルビアはサランを抱え遺跡の外へと歩いていく。
その後ろをセーニャもついて行った。
カミュは心配そうに呟いた。
「なぁ…あいつ大丈夫かな?」
「あいつ?」
「シルビアだよ。今回の件でサランが死にかけてるだろ?自責の念に駆られなきゃいいが。」
そう見送ったシルビアの背中はどこか小さく見えた。