第39章 少女メルの正体
壁画から脱出に成功した一同は気を取り戻す。
「アイタタ…みんな無事かしら?」
立ち上がり着地した時に付いたホコリを払いながらシルビアは確認する。
「えぇなんとか、私たちは戻って来られたわ。」
ベロニカが返事をしたあとシルビアはキョロキョロと辺りを見回す。
やはりどこを見てもサランは見つからなかった。
ブレインは恐ろしい壁画をじっと見据えた。
「この恐ろしい壁画の真実をむらの方々に伝えましょう。
そして、一刻も早くサラン様を助けなくては。」
セーニャが珍しく怖い顔をした。
「……ごめんなさい、アタシのお節介でみんなを巻き込んでしまって。」
シルビアはハァとため息を漏らす。
しかし、シルビアの懺悔とは別に皆は怒っていたり悲しんでいるわけではなかった。
「何言ってんの。どのみち、この壁画のことを解決しなかったらオーブだって魔王のことだって詰んだままなのよ?
シルビアさん、そんな顔でサランを助けるって言ってるの?
彼女幻滅しそう~」
「ベロニカちゃん…」
シルビアは笑顔を作った。
「そうよね!早く行きましょう!」
ブレインたちは村へと走った。