第38章 壁画の中の世界
ブレイン達は先程サランがやってきた異世界へと飛ばされていた。
「何だこの奇妙な場所は…夢の中ってわけでもなさそうだな。」
カミュと同じようにセーニャも不思議な感覚を覚える。
夢の中というより絵の中に入ってしまったような感覚だと言う。
それに対してベロニカとカミュが心なしに声を漏らした。
しばらくして、状況が何となくわかったカミュは驚きの声を上げる。
そんな中でもシルビアは冷静にメルとサランはこの絵の世界に飲み込まれたのではないか?という仮説を立てた。
「でもそれなら、その迷子はなんでさっき1人で遺跡前をうろついてたんだ?」
カミュの言葉にシルビアは分からないと俯く。
「ともかく、先へ進まねば仕方あるまい。
2人を探しに先へ進もう。」
ロウの提案に頷きみんなは先へ進むことにした。道を進んでいるといま自分たちが歩いている道とは別に下の方にも道があることにマルティナは気がついた。
「ねぇみて!あそこ。」
その永久にも見える道をフラフラと歩いていく人影が見える。
「ここに取り込まれた人達でしょうか?
なんだか虚ろな感じですね…。」
セーニャが目を凝らし歩いている人を観察する。まるで無限ループにハマっているかのようにぐるぐると道を歩いていく。
その中にサランやメルの姿がないか確認したが見当たらなかった。
「早く進みましょう?もしかしたらまだ取り込まれたわけじゃないかもしれないわ。」
ベロニカがブレインに振り向き走り出した。
しばらく道なりに走っていると大きな壁画とブブーカの5人組が見えてくる。
「あそこにいるのってブブーカたちじゃねぇか?
おい、あんたこんな所でなにしてんだ?
なぁ、お前らここで女の人と小さなガキ見なかったか?女の子の。」
ブブーカたちは何も答えてくれない。
「皆さんはここで何をしてるのでしょう?
それにこの壁画の女性、遺跡にも描かれてましたが一体どなたなんでしょう?」
セーニャはキョトンとした。