第35章 賑やかな壁画の町
翌朝サランは誰よりも遅く起きた。
「ほら、サラン?いつまで寝てるのよ!
まったく〜。早く起きないと置いていくわよ」
ベロニカに起こされうぅっと唸りながら目を擦る。
「サラン様、おはようございます。」
ベロニカの隣でセーニャが優しく微笑む。
サランは本当にこの2人は双子なのだろうか?
どうも性格が真反対だなぁと思った。
身支度を整えフードマントを被り船を降りるとすでにみんなは出発準備を終えて待っていてくれてた。
「すみません。お待たせ致しました。」
「問題ないわ、さぁ行きましょう!」
マルティナにニコリと笑われサランはドキッとした。
あんな美人に優しく微笑まれたら女の自分でもドキドキする。
「そういえば、マルティナさんとロウさんはプチャラオ村に来たことがあるって言ってましたよね?
どういう村で、村には何があるんですか?」
マルティナの横を歩き、遅れを取らないように歩幅を合わせる。
「ん?プチャラオ村には古代遺跡がある事で1部の間では有名なのよ。
その遺跡に描かれている絵を見ようと旅人がよく立ち寄ったりするものね。」
「へぇ〜。なんだか面白そうな村ですね。」
「船からだったからもう少し進んだら見えてくるわ。」
マルティナの言う通りすぐに村が見えてきた。
村に入ると活気に満ち溢れ賑わっている。
村に入り辺りを見回すと村の入口に看板が置いてあった。