第34章 重なる気持ち
サランは以前にも話したように大樹が枯れ世界が闇に堕ちる様子が見えたと話す。
さらにそこで自分が首を掴まれる。
それが誰なのかは分からない。
この旅自体が誰かに嵌められているのではないかと、その誰かがロウやブレインなのではないかと疑心暗鬼に駆られそうになる。
シルビアは全て聞き終えてからそっと包み込むようにサランを抱きしめた。
しかし腕に入る力はどこか強く、しっかりと離さぬと言わんばかりだった。
「不思議ね…そんなこと見るなんて。
とても不安だったわよね?前にも話してくれたのに、アタシ真っ直ぐ受け止めてあげられてなかったみたい…。ごめんなさい。本当に何かあったらアタシ、ブレインちゃんとも戦うわ。そうならないことを願うけど。」
サランの目頭が熱くなる。
そうだった。
シルビアは自分のことを語らないし教えてくれないけど、人の心を解かしてくれる。
「シルビアさん…」
サランはシルビアの背に手を回す。
ゆっくり心のしこりが溶けるようでなんだかそれがとても居心地がよかった。
「とにかく、この後もなにか見ると思うけど真実を確かめるために命の大樹に行かなくちゃね!
さぁ、みんなにもそろそろ寝るように言わなくちゃ!」
シルビアサランから離れ寝支度を整える。
明日はプチャラオ村へ向うんだ。
サランも大丈夫と自分に言い聞かせ寝ることにした。