第30章 月の涙
いや、常に何かしら考えてはいるのだろうけどあからさまに悩んでいるように見えたのは初めてだとブレインは思った。
「あの子を護れるものってあるかしら?
お守り代わりに…そうね…」
ブツブツと独り言を呟く。
「女の子に短剣なんてちょっと変かしら?
いざと言う時に…使う機会がないといいけど。
やっぱりアクセサリーのほうがいいのかしら?」
「短剣いいと思いますよ。
それならある程度素材があるのでやってみますか?」
ブレインはニッコリ笑った。
シルビアもホッとしたように笑いブレインから短剣の作り方を教えてもらった。
「でも…こう細工して
まず、プラチナ鉱石とさざなみのしずくを…」
「こうかしら?」
最初にブレインが指輪の作り方もシルビアに教えた。シルビアはそれを自分なりにアレンジをする。かんかんと鍛冶をする音が浜辺に響き渡った。