第26章 二人の想い
早速、シルビアは地図でナギムナー村の位置を確認する。
「うーん、ここからじゃあちょっと遠いわね…
全速力だとしても2、3日海の上で過ごすことになりそう…。
海の魔物にも注意しなきゃいけないわね…。」
フゥっとため息が軽く漏れる。
「まぁ、1ヶ月とかではないでしょうし。食料もそれくらいは何とかなりますよね?
なければ、海ですから釣りでもして魚とか取れればなんとかやっていけますよ。」
にっこり笑うサランにシルビアもそうねと微笑んだ。
「ところで?ナギムナー村ってどういう所なんでしょう?」
「ロミアが言うには世界一の真珠が採れるで有名そうよ!」
「真珠…ですか?」
「えぇ!それはもう綺麗な真珠らしいわ。」
楽しそうに話すシルビアにサランもにこりと笑う。
こうやって、シルビアと一緒にいることが何よりも嬉しい。
ずっとこの旅が終わらなければいいのに…
そんなことを思っていると不穏なあのビジョンがふと頭をよぎる。
「……!」
思わずハッと息を飲んでしまい、その声にならぬ声はシルビアにも聞かれてしまった。
「どうかしたの?サランちゃん。」
「あ…いえ、なんでもありません…。」
目がキョロキョロと動き瞬きの回数が増える。
シルビアはそれを見逃さなかった。