第25章 人魚ロミア
そういえばそうだ。海底王国にオーブが1つ沈んだ話があったのだ。
するとロミアが嬉しそうに。
「はい!お安い御用です!
海に潜れる秘宝であなた方を案内してさしあげます!」
と約束してくれた。
「キナイの村はホムスビ山地の先にあります。
迷わないよう地図に印を付けときますね。
キナイは荒波のように男らしく、海のようにおおらかで潮風のように爽やかな人なんです!
あ…私ったら!これキナイは内緒ね。」
ロミアはそう言うと船の座礁を直しに向かった
サランはロミアの気持ちがとてもわかった。
自分の好きな人のことを考えるとつい話したくなるし、全てがかっこいいと感じてしまう。
そう思いながらチラッとシルビアを見る。
シルビアは座礁した船が元に戻りホッとしている様子だった。
ベロニカとブレインが船へ戻るため歩き出す。
「あなたはどうなの?」
マルティナが突然声をかけてきた。
「え?」
「シルビアさんのことよ。
好きなんでしょ?」
ボンッと顔が赤くなるのが何となくわかった。
別に隠したいとか隠してるつもりはないけど、こうハッキリ言われると恥ずかしさが隠せなかった。
「えっと…その…お、お付き合いは…」
ごにょごにょと声が小さくなる。
その様子にマルティナはクスクス笑った。
「フフフ。可愛い反応するのね。
まぁいいわ、今度ゆっくり話してもらうから。
さぁ!行きましょう。」
マルティナがサランを置いてすたすた歩き始めた。
遠くでシルビアが大きく手を振る。
ロミアのおかげで船を出せるようになったと、喜んでいた。
「サランちゃん!早くおいで!」
「いま、行きます!」
サランもみんなの所へと走っていった。