第23章 あなたがあなただから
サランから涙が溢れた。
言いたいことがいっぱいあるのに、驚きと嬉しさが混じりやがて戸惑いとなり声にならない。
「困るわよね…急にそんなこと言われても。
ごめんね。」
困った笑みを浮かべるシルビアにサランがフルフルと首を横に振った。
「あの…そんなこと言わないで、謝らないでください。
私、今とても嬉しくて…信じられなくて」
シルビアに向き合うと意を決した様にサランは真っ直ぐシルビアを見つめた。
「私もシルビアさんが好きです」
シルビアの瞳が揺れた。
「ほんとうに?」
サランがゆっくり頷く。
それは間違いなくあなたに好意があると示すように。
「だってアタシは…その…」
「シルビアさんが男性とか女性とかそんなこと今更気にしてませんよ。シルビアさんはシルビアさんですし、私はシルビアさんだから好きになったんです。」
サランの言葉にシルビアは驚いた。
拒絶されるかと思った、姉や母みたいな慕われ方をしていたと思っていた。