第23章 あなたがあなただから
変に期待を持ってガッカリしたくなかった。
「あ、妹的なことですよね。びっくりした…」
サランの言葉にシルビアは少し残念そうに微笑む。
「妹的な…か、そうよねそう思うわよね…。」
パチッと薪が熱で破裂する。
それと同時にサランがはっくしゅんとくしゃみをした。
「あら?体冷えちゃった?」
「かもしれないです…少しくっついてもいいですか?」
「え?大丈夫?アタシは乙女だけどその…」
「シルビアさんがいいなら私は大丈夫です。」
シルビアは苦い困ったような表情を浮かべたが、そっとサランの傍に来てくっついた。サランは自分で言っておきながら少し後悔した。シルビアにくっつくのは久しぶりのことで嫌でも心臓がうるさく高鳴る。
しかし、それも最初だけの話だ。
シルビアから伝わる温もりに心が穏やかになっていく。
(この人がいるといつも落ち着くんだよなぁ…)
なんて考えているとシルビアが真面目な顔をした。
「サランちゃんは、アタシのこと姉的な人と思ってる?」
「え?」
「アタシらしくないのは分かってるわ…
でもなんだか気になったの。」
困ったわねと笑うシルビアにサランはドキドキした。
「私は…」
言ってしまっていいのか悩む。
このままの関係も切ないが居心地がとてもいい。
それが崩れるのが怖くてたまらない…
「アタシはね…」
シルビアが答えられないサランの代わりに口を開いた。