第23章 あなたがあなただから
パチパチと焚き火が小さな破裂音上げて温かい色味を放つ。
「さぁ、これで冷えた体も温まるわね。」
2人は並んで座るとお互いの顔も見ずに焚き火を眺める。
「ねぇ、サランちゃん?」
チラッとサランはシルビアの横顔を見る。
出会った頃からいつも思っていたがその整ってる横顔を綺麗だなと胸の内で思った。
「なんですか?」
「アタシね…最近よく不思議なことを見るのよ。
あなたに天使のような女神様のような翼が生えてる夢とか、そのままどこかへ行ってしまうような気がして…」
サランはキョトンとしたあとクスクスと笑った。
「すごく真剣な顔をするからこの旅から下りた方がいいとか説得されるのかと思いました。
シルビアさんでもそんな不安げな表情するんですね。」
「アタシだってそりゃ大切にしたいと思う…」
ごにょごにょと言葉を濁しふいっと顔を背ける。
「え?」
サランは自分の耳を疑いそれが本当に聞こえたとしても特別な人ではないだろうと自分に言い聞かせた。