第22章 魂よ、大樹へ
みなが寝静まった頃、1人寝れなかったサランが起き上がってユグノア城跡地を1人で進み先程の裏山に立っていた。
「Uh~~」
あまり大きな声が出せないと思ったが雨の音で少しくらい歌ってもいいかなと自分に言い訳をして歌い始める。
ブレインさんとマルティナさん…大丈夫かな…?
サランは緑に輝く大樹を見つめ2人の無事を祈った。
祈っていると土を踏む音にハッとして振り返る。
「サランちゃん…ここにいたのね。
風邪を引いちゃうわよ。」
そこに居たのはシルビアだった。
「シルビアさん…ごめんなさい、何だか眠れなくて。」
「うふふ、それは奇遇ね。
アタシもちょっと眠れなかったのよ。
でもここじゃあ濡れちゃうわね。ちょっと移動しましょう?」
結局2人は皆が寝静まったキャンプ地に戻り焚き火に当たりながら並んで座った。