第22章 魂よ、大樹へ
2人はみんなが行った城裏の山に登るとちょうど鎮魂の儀式が執り行われようとしていた。
「みなさま、お待ちしておりました。」
マルティナが鎮魂儀式の準備を整えて待っていた。
後ろには葉っぱや枝が祭壇に積まれている。
「ご苦労じゃったな、姫よ。」
ロウが祭壇前に立ち松明に炎を灯す。
そのとき、シルビアは何か心当たりがあるのかマルティナの顔をちらっと見る。
「あら?あなたは…?」
「シルビアさん?どうかしました?」
サランの言葉を遮るかのようにマルティナはサラン、シルビアを含めた5人を後ろへと下がるように促した。
ブレインはロウに案内され祭壇の前に立つ。
「シルビアさん、さっきのは…?」
「いえ、なんでもないわ。さぁ、ブレインちゃんを見守りましょう?」
シルビアにはぐらかされ少し引っかかったがサランも、シルビアに習い2人を見守る。
2人が葉っぱに火を灯すと瞬く間に煙が上がり、次第に光り輝く蝶が煙と共に命の大樹へと羽ばたく。
まるで、迷い続けていた魂が還る場所へと向かうように。