第20章 虹色の枝はどこへ?
サランが待ち合わせの通りに行くと既に全員が揃っていてサランのことを待っていた。
「お待たせしました。」
「いや、俺らも今揃ったところだから気にすんな。
それにしてもなんで虹の枝なんて持ってたんだ?」
「分からないわ?
とりあえずアタシたちはユグノア城跡地に行けばいいのよね?」
うんとみんなが頷き早速ユグノア城跡地へと向かった。
町を出た時間が遅めだったのか辺りはすっかり暗くなってしまったのでブレイン達は1度キャンプを張ることにした。
皆、個々に夜を過ごしていた。
サランは町を出る前にコーアに言われたことを考えていた。
きっとサランさんのこと好きだと思うぜ。
本当にシルビアが好きなのかは分からない。
もっぱら世界を笑顔に〜なんて言ってる人だ。
そもそも、そういうことには興味のない聖人だとサランは思っていた。
現に、シルビアは愛用している縦笛の手入れを念入りにしている。
「はぁ…やっぱり考えるだけ辛いな…」
「…?どうかなされました?」
心の声が本当の声になってしまったのかセーニャに聞かれてしまっていた。
慌ててなんでもないと笑うが自分の顔が引きつっているのが何となく分かった。