第19章 またいつか
サランが孤児院から出ると入口にて、コーアが立って待っていた。
「サランさん。何から何までありがとう…。」
顔を赤らめて視線を逸らすコーアにサランはニコリと笑った。
「こちらこそ…コーアくんちょっと耳貸して?」
サランがコーアの耳元で内緒話をするかのように耳打ちをする。
「コーアくんてラァラちゃんのこと好きなんだね」
サランに囁かれコーアの顔は真っ赤に染まった。
「ばっ…!いや、ラァラには内緒にしてくれよ?
それに、サランさんだってその…シルビアって人のことが好きなんだろ?」
コーアに図星を当てられサランは目を丸くした。さすがに分かりやすかったかな?と振り返ってみてクスクスっと微笑みが溢れた。
「あと、シルビアって人………その…
サランさんのこと好きだと思うぜ?」
え?っとサランの時が一瞬止まる。
シルビアが自分のことを好き?
まさか?
「いや、そんなことないと思うよ?
あの人は人々を笑顔にすることが大好きな人だから
私はそんなあの人についていきたいだけよ
大人をからかうなんて早いわよ」
優しく微笑み頭を撫でながらまたねと言うとサランは孤児院を後にする。