第1章 孤児となった少女
「団長さーん。」
団長は声でシルビアと分かったらしくすぐに返事をくれる
「おぉ、シルビアどうしたんだい?」
「失礼するわね、紹介したい子がいるんだけどいいかしら?」
「ん?」
団長は扉を開けてきたシルビアの足元に小さな女の子がいることに気がつく。女の子は団長を見るとさっとシルビアの後ろに隠れてしまった。
「隠し子とはけしからんな?」
「んもぉ〜違うわよ〜!
この子、さっきそこで盗みをしようとしてて
話を聞いたら親がいない孤児なのよ。
理由までは聞けなかったけど〜。
だからアタシが面倒を見るからここに置いてくれない?」
団長はハッハッハと愉快に笑った。
「なんだ、そんなことかシルビアくんの頼みならいくらでも聞くさ。
ようこそ、流浪のサーカス団へ君を歓迎するよ!
名前は?」
サランは小さな声で「サランです」と囁いた。