第1章 ジョナサンの代わりはいない
「良いっすね、それ!」
と、ジョイは言ったあと、神妙な顔になりました。
「どうしたの?」
パフが尋ねると、ジョイはパフを真っ直ぐ見つめ口を開きます。
「パフはジョナサンとユニットを組んでたっすよね」
「ええ」
目を閉じて答えたパフです。
「パフはこのあと、誰とユニット組むとか考えてないっすか?」
「ジョナサンの代わりはいないよ。あたしはしばらくソロでいい」
「パフ……」
「ソロでいいの」
パフは辛そうな表情で走り出し、ローディーのエリアから別の場所へ行ってしまいました。
「あのお嬢ちゃんはジョナサンのこと相当気に入ってたんだな」
パフがいなくなると、紫のジャケットを着た茶髪の男性がやって来ます。彼はダークです。
「ダークさん」
「乙女心は複雑っちゅうことよ」
ダークはジョイの肩に腕を回します。
「ダークさんの口から乙女心って言葉が出て来るとは思ってなかったっす」
「あのまま、アムドライバー辞めなきゃいいけどな。ヒャハハハ」
ダークの後ろにもう1人いた紫のジャケットを着た赤髪の男性がそう言いました。彼はタフトです。