第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
「こらー、話がちがうじゃないかー。マーカーエールー!」
アオイは急いでマカエルを追いかけました。
「オレは考えてやると言っただけだぜ少年」
軽い調子で言ったマカエルです。
「待てー!」
ますます怒ったアオイは走るスピードが速くなります。
やがて、アオイとマカエルの姿が見えなくなってしまいました。
その後、風船になっていたテニスコートが元に戻ります。ミニサイズになっていた丸井と木手のラケットも、テニスボールも元通りです。
また、カエル姿から元の人間姿に戻ったU-17合宿所参加者は、何事もなかったようにそれぞれコートに戻ります。コーチたちもモニタールームに戻り、仕事を再開していました。
カエル姿で遠くに行ってしまっていた甲斐と田仁志も元の姿に戻っており、はしゃぎながらコートに戻って行きます。
「そんじゃ、打とうかキテレツ」
「ええ」
理想のペアもこれから打ち合おうとコートに向かうところで、
「丸井くん、木手くん」
入江奏多に呼び止められました。徳川カズヤと鬼十次郎もいました。
「入江先輩」
「どうかしたんですか?」
丸井と木手が目をパチクリさせたあとに、入江は質問します。
「さっき、カエルの鳴き声がやたらうるさかったよね?」