第1章 理想のペアとカエル族とカエルに変身する少年
ある日のことです。ビジュアル系のファッションを着た黄緑色の三つ編みを一つ縛りしていた青年と、黄色い長袖のトレーナーの上にオレンジのベストを着た青い髪の少年が都会の中を追いかけっこしていました。青年の名はマカエル、少年の名はアオイです。
「待て、マカエル、オレを元に戻せー」
と、アオイは叫びながらマカエルを追いかけていました。
「元に戻せって、この姿からか?」
マカエルは魔法で水の入ったバケツを出し、バケツをアオイの方へひっくり返します。すると、何とアオイはびしょ濡れになると、青いカエルの姿に変わってしまいました。
「わー、そうだよ、この姿からだよ。何だよ、これ。水に濡れるとカエルの姿になるとか冗談じゃねえ」
「しばらく時間が経つと元に戻るから問題ないだろ少年」
「問題ある。雨とかにもし濡れたときとか、お風呂に入ったとか、水泳するときもカエルの姿になったのを、親とみんなに見られたらヤバい!」
「うーん、そうだったなー」
「そうだったなーじゃねえっ!」
「完全に元に戻して欲しかったら、オレを捕まえるか妹を探すことだ」
「……わかった。妹の前に絶対あんたを捕まえてやる」
カエルの姿から人間の姿に戻ったアオイは走るスピードを上げてきます。