第1章 マイマイ、探偵チームＫＺに入る！？

　「……好きにしなさい。成績上がらないまま泣いても知らないわよ。まだ仕事があるから行くね」
　高校生アンの母が若武を見ず、息子たちにそう言い捨てたあと、カツカツを靴を鳴らし、行ってしまいます。高校生ドゥー、トロワ、カートルの母も行ってしまいました。


　「若武、また年上相手に敬語を使わないで」
　黒木が呆れていると、


　「ふん」
　と、鼻で笑っていた若武です。


　その後、高校生アンたちはようやく反省したようです。後日必ず元秀明ゼミナール生たちに謝りに回るとマイマイとKZに言い、KZに勉強を教えてもらっていました。


　小学生に勉強を見てもらうのは恥ずかしいと思っていた高校生アンでしたが、真面目に若武たちの授業を聞いていました。彼らの成績がぐんと上がってきたのは、マイマイが帰宅してから数日後にわかったことでした。


　時を少しだけ戻し、マイマイは秀明ゼミナール前でKZに別れのあいさつをしていました。


　「彩ちゃんたちに出会えたおかげで、良い第８回人生やり直しツアーになったよ」


　「お礼ならいいぜ」


　「まだマイマイさん、言ってないから」
　苦笑をしながら若武にツッコむ小塚です。