第1章 マイマイとプリズムジャンプ!
しかし、金髪の少女の方は眉間にしわを寄せ、どこかに行こうとしていました。
「みおんちゃん?」
赤い髪の少女が声を掛けると、金髪の少女は振り返り、
「お手洗いよ」
と、言い、早歩きで行ってしまいます。
「………」
このとき、ワタルは金髪の少女を目で追っていました。それを見たマイマイは一瞬寂しそうな表情を浮かべますが、
「すみません、あたしもちょっとお手洗い行ってきます……」
ワタルに断ってからリンクの外に出て、普段靴に履き替え、金髪の少女を追いかけました。
お手洗いの方にマイマイは行くと、金髪の少女はいませんでした。外の方を探しに行くと、金髪の少女はイチョウの木の下にいました。
「あの……」
マイマイが話し掛けると、金髪の少女はびくっとなります。
「あなた、ワタルにプリズムスター体験させてもらってた……。みおんに何か用?」
「名前、みおんちゃん?」
「ええ。あなたは、マイマイさんでしょう。ワタルがあなたのことをちゃん付けで呼んでたの聞こえてた」
「あはは、そっか。それで、みおんちゃんにあたし、用ある。あの、プリズムスター体験、みおんちゃんが教えてくれないかな」