第1章 マイマイとプリズムジャンプ!
(わっ、わわわっ、ワタルくん、無茶苦茶近い! 吐息が耳にかかってきたんですけど……!)
とりあえず、マイマイはそっと深呼吸をし、落ち着かせ、振り付けの練習に両手をピースしました。両手をピースさせたまま、自由に動かしていると、
「うん、良いじゃない。可愛い」
と、ワタルが拍手し、褒めます。
(うう、そのアイドルスマイル、反則よ)
ワタルの笑顔がまぶしくなったマイマイは、恥ずかしくなり、少年から一旦離れようと動いたとき、転びそうになりました。
「マイマイちゃん、大丈夫?」
ワタルがさっと助けに来てくれたことにより、マイマイは転ばずに済みます。
「あ、ありがと……ござ……」
胸がドキドキしているからか、ワタルの顔がまともに見られず、マイマイはお礼の言葉も上手く言えず、声が裏返ってしまいました。
「やってるうちに上手くなってくるからね。最初はゆっくり動かして、だんだんテンポ速くしていくといいよ」
(優しいな、ワタルくん。ワタルくんって、彼女いるのかな……?)
マイマイとワタルの雰囲気が良く見えたか、赤い髪の少女とオレンジ色の髪の少女はニヤニヤとした表情で2人を見つめています。