第1章 理想のペアとチームQ4(キューフォー)と?
肌寒さを感じる朝、丸井ブン太は半袖半ズボンで外を走っていました。途中、反対方向から走ってきた黒のノースリーブシャツと長ズボンを履いていた木手永四郎と会い、曲がり角を曲がったところで2人並んで同じ方向を走るかたちとなります。
「よぉ、キテレツゥ、早えじゃん」
朝早いなと丸井は声を掛けていましたが、木手は返事せず、丸井を一瞥(いちべつ)します。その後、木手は走るスピードを上げていました。そんな少年に丸井はにっと笑い、
「勝負か。負けてられないな」
風船ガムを膨らませ、少年も走るスピードを上げ、木手を抜かします。
すると、木手はさらに走るスピードを上げ、丸井を抜かし、丸井もスピードを上げ、木手を抜かす繰り返しを交互にしていました。
丸井と木手が夢中でランニング対抗しているうちに合宿所入口の門まで来てしまいます。走り終えたあとも息があがっていた2人は呼吸を整え落ち着かせ、合宿所入口の先を見てあるものが目に入りました。
1台のワゴン車が合宿所入口の門前の端に植わってある並木近くの場所で幅寄せされていて、緑の髪の青年が前輪のタイヤの前に座り込んでいたのです。
「あの、どうしたんですか?」
丸井が緑の髪の青年に話し掛けました。丸井たちの方を振り返った緑の髪の青年はメガネをかけています。