第1章 いちご、カロス地方へ
「いちごさんが良かったら、私たちとヒヨクシティに一緒に行きませんか?」
「ちょっ、ユリーカ……」
「私たちもヒヨクシティに行くところだったんだ。ね、お兄ちゃん」
「ええ、まあ……」
「本当!? 一緒に行ってくれると心強いな。ヒヨクシティまでお願い、連れて行ってくれないかな」
「もちろん! もー、お兄ちゃん、エスコートしてやるぜとか、はっきり言わなくちゃ」
「そんな人、いません」
「ふふっ、仲良いな」
シトロンとユリーカのやりとりを見て、いちごは弟のライチに会いたくなっていたのでした。
いちごたちは13番道路を通っていました。13番道路は荒野になっていて、ユリーカが「ミアレの荒野」とガイドします。
「荒野って来たことがないからびっくり~」
いちごが周りの景色を見渡しながら、ユリーカの隣に並んで大きく手を振って歩いていました。
「カントー地方やジョウト地方にも荒野ってありませんからね。ミアレの荒野ってやっぱり、珍しいでしょうか」
いちごたちより少し後ろに離れたところで歩いていたシトロンも、周りの景色を見ています。
「うん、とっても!」
いちごが笑顔で答えたときです。遠くの地面の中から2体のポケモンが現れました。