第1章 捕らわれのアイドルたち
「奴ら、ばらばらに行動しやがった。これじゃあ、どこへ行ったかわからねえ」
リボーンが両腕を組んでそう言うと、骸はクフフと笑い、
「ボクはわかりますよ。あの7人はアイドルを捕らえて、そのアイドルに成りすます質の悪い幻術使いマフィアグループ『ルドイア』」
と、ぱちんと指を鳴らし、幻術を消しました。
「マフィアグループ名、アイドルを逆さまに読んだだけじゃねえか」
ツッコむリボーンに、
「でも、女の人はともかく、男の人に女の子のアイドルに成りすますのって無理なんじゃ……」
苦笑ながら言った綱吉です。
「ツナ、おめぇ、骸の話を聞いていなかったのか。ルドイアは7人とも幻術が使えるマフィアだぞ」
「そっか。なら、男の人もアイドルそっくりになれるってことなのか」
「だから質が悪い。アイドルの逆さまってことだけはあるな」
「ルドイアのせいで人生が変わってしまったアイドルたちが後を絶たないようですよ。クフフ」
「骸、そこは笑うところか……?!」
「すみません。ボスに先に伝えます。骸様は霧矢あおいさんの行方を追いたいそうです。あおいさんの名字の『霧』が気に入ったからだそうです。では、私はこれで……」
クロームはぺこっとお辞儀をし、姿を消してしまいます。