第1章 捕らわれのアイドルたち
ハルは一瞬、目を細めますが、ニコッと笑い、
「いちごちゃんたち、可愛いですよね」
と、綱吉たちに言いました。
「う……」
綱吉はここで口をつぐみます。少年にとってのアイドルは別にいたからです。それは、京子です。綱吉は京子の前でアイドルたちのことを可愛いと言えませんでした。すると、京子が困ったような表情になり、
「ツナくんってアイドルに興味ない?」
と、言いました。
「あ、いや、そんなことは……」
ツナが否定しようとしたところ、京子が両手に持っていた雑誌が誰かに取られます。風紀委員長の雲雀恭弥です。雲のリングの守護者になります。
「学校にこんなものを持って来るな、沢田綱吉。没収」
「いえ、あれは私の……」
と、ハルが自分のものの雑誌と言っていましたが、雲雀は聞いていません。
「ちょ、雲雀さん……」
綱吉が引き止めようとすると、雲雀にギロッと睨まれ、
「咬み殺すよ?」
彼はそう言ったあと行ってしまいました。
「……やっぱり、あの人、怖い」
「だらしねえな、ツナ。あれで雑誌を取り返せないようじゃ、ボンゴレファミリー次期ボスになるのは程遠いぞ」
突然、黒い帽子を被った赤ん坊が現れ、全員が一斉に視線を向けます。綱吉の家庭教師のリボーンてす。