第2章 ボンゴレファミリーVSルドイア〈獄寺〉
「あなたがドなら私はレ、あなたがレなら私はミ、私は上を行くよ!」
「音城セイラが歌う前に言うセリフか。本人まるまるそっくりじゃねえか」
と、ニセモノのセイラの声が聞こえていた獄寺が動揺していました。事前に彼女の動画を観て、セイラのことを覚えた獄寺は両手をポケットに突っ込み、人混みを先をじっと見ます。わずかにセイラのポニーテールの赤い髪だけ見えていました。
ニセモノのセイラの歌声が響くと、急に彼女の周りにいた人たちの姿が消えます。獄寺とニセモノのセイラの2人きりです。獄寺の目付きが鋭くなります。
「そんなに怖い目で見られたら歌えないですよ」
と、ニセモノのセイラは歌うことを止め、苦笑しながら獄寺のところに来ました。
「ニコニコな目で見てられるか。あんたはホンモノの音城セイラじゃないんだからな」
「私の幻術に対抗出来る人がいるとはね」
ニセモノのセイラが目を閉じ、パチンと指を鳴らすと、目付きの悪いピンクのワイルドヘアの男性姿に変わります。
「それがあんたの真の姿か。ホンモノの音城セイラはどこだ?」
「お前の付けている指輪、ボスから書物を見せてもらったことがある。ボンゴレファミリーか」