第13章 あなたは…誰…?
「ヴィラン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
「先生、侵入者用センサーは!?」
「もちろんありますが…」
「現れたのはここだけか学校全体か…何にせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそういうこと出来る個性がいるって事だな」
驚きながらも冷静に判断しているところが
さすが雄英の生徒って感じだ
私が初めてヴィランに遭遇した時なんて
冷静さのかけらもなかったと思う。
「校舎と離れた隔離空間、そこに少人数が入る時間帯、バカだがアホじゃねぇこれは…なんらかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ。」
そう、ヴィランが
こんなところに来るなんてバカだけど、
アホじゃない
何も考えず目的も持たず
わざわざ来たりしないだろう。
そして…
その目的を果たせる算段があるから
こんなところに襲撃してきたのではないか
「13号避難開始、学校に連絡試せ!センサー対策も頭にある敵だ、電波系の個性が妨害している可能性もある、上鳴おまえも個性で連絡ためせ」
「っス!」
「先生は!?一人で戦うんですか!?」
(消くん、一人で、あの数と?!)
いくら消くんでも
一人で相手しきれる数の敵じゃない
私は…どうするべき…?
私は一応仮免を持っているし、
実力も、ヴィランと戦う資格もある
足手まといになる程弱くない
でも、今ここで消くんを
追いかけるべきなのか分からない
追いかけたところで、
本当に今私は個性を使いこなせる…??
戦闘訓練ですら
まともに使えていなかったのに…??
「あの数じゃいくら個性を消すって言ってもイレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ正面戦闘は…」
「一芸だけじゃヒーローは務まらん」
捕縛布を掴み、
本格的にヒーローモードに入った
消くんの後ろ姿が目に映る。